猫と人。繋がるものがたり ネコット

2023.10.22 愛猫と暮らす家

~愛に溢れた共生の自遊住宅~

マイホームに馳せる想いは、人生の中で最も大きなもの。このコロナ禍で在宅時間が増えたここ数年では、『おうち時間』と言われるほど、多くの人が自宅での過ごし方や暮らし方の充実を図り、ペットを迎え入れた人も少なくはありません。

猫の生態と習性

猫という生き物はそもそも単独行動を好みます。犬のように群れたり、協力したり、服従することなく、狩りも単独で行ないます。甘えたい時には甘えてきますが、飼い主が構いたくてもその気がなければ知らんぷり・・思いどおりにはいきません。縄張り意識が強く、室内猫であっても自分のニオイをつけて安心できる場所を作ります。外猫であれば、夜は雨風が防げる縁の下、昼間なら見晴らしの良い塀の上などを好みます。見晴らしの良い所は、敵の襲来をいち早く察知するための小動物としての本能ですが、逆に敵の目につきやすくもありますから、身を隠せるような場所・・段ボール箱や紙袋、筒の中など、狭いところに入ることで安心を得ることになります。

共生の住まい

好奇心むき出しで何かを見つめたり、じゃれたり、或いは気高く歩いたり、無防備に陽だまりでまどろんだり・・彼らが猫らしく、本能の赴くままイキイキと振る舞う姿に、飼い主はどれだけ幸せを感じるでしょうか。まさに「胸キュン♡」で「萌える」とはこのこと。

室内で過ごす時間が長い猫のために考えたいのは、安全と快適さです。互いがより幸せで、らしく居られる・・これこそが「共生」です。

今回ご紹介する「愛猫と暮らす家」を手掛けたのは、群馬県高崎市にある創業98年の三村工業(株)の住宅事業部 ミムラホームです。大正14年開設の同社は、創業98年という老舗企業です。元々は鉄筋工事を営む会社として公共施設や学校、病院などの大型建築の高度な技術を培った長年の経験を活かし総合建設業へと業務拡大をして、今は一般住宅にも力を入れています。

「愛猫と暮らす家」はその名のとおり、マイホームの設計に「猫と共生する」というコンセプトを全面的に盛り込んだ住まいのこと。一般的には、家が先にあって、そこに「猫を飼う」ことが後から加わるケースが多いため、予想外のことが起きたり、ちょっとした不便さが人にとっても猫にとってもストレスになり兼ねません。

住まいに求めるあらゆることは、『人を中心』に考えがちです。子どもがいるから子供部屋、家族と家事時間を繋げたいからオープンキッチン、年老いた家族がいる、もしくは自分たちの老後のためにバリアフリー、掃除をしやすくしたいから〇〇・・と云った感じ。猫の生態や習性を理解した家づくりは、これらに「猫の要望」を取り入れるわけですから、猫にとっても、完成が待ち遠しくて仕方がなかったかも知れませんし、ここでの暮らしが始まった時には小躍りしたい気分になったかも知れません(笑) こんな風に愛猫が喜んでくれると、猫オーナー冥利に尽きますね。

猫のための仕掛け

①キャットステップ

上へと行きたがるのはもちろん、上下運動を得意とする猫ちゃんのためにステップアップボードを仕掛けます。

②キャットウォークブリッジ

細い塀の上や木の枝を姿勢よくしなやかに歩くように、家の中に飾り梁などを設えます。しっぽをピンと立ててお澄まししながら歩く姿を眺めるのは、愛猫家の心をくすぐられるようなひと時です。

③見晴らしのよい窓

窓の外には動くものもたくさんあります。飛んでいる鳥や風に揺らめく木々の葉、時に雨の雫や水溜まりの水輪、散歩する人の姿やご近所の犬など、好奇心が旺盛な猫にとって窓際は刺激的で好奇心を満たすための大切な場所。まん丸な瞳を見開いて、一心に何かを見つめる表情も可愛くて仕方がないはずです。窓から差し込む陽射しも、夜空に瞬く星の光も・・そこに猫がいてくれるだけで、絵画のような特別な空間になりそうです。

④陽だまりのある場所
暖かな光と温もりを存分に浴びられる場所は、猫にとってお昼寝に格好の場所。きれい好きな猫にとって、紫外線を浴びるのは、私たちがお布団を干すようなもの。被毛に付いた雑菌などの殺菌効果を求めているとも云われています。リラックスしながら、サラサラの体毛をキープしているのですね。丸まったり、伸びをしたり、毛づくろいをしたり・・愛猫のまどろんだ姿を眺めるのも幸せなひと時です。

⑤人目を避けた隠れ場所

身体がやっと通り抜けるような穴を潜り抜け、狭い空間に身を隠すようにして入り込むことが大好きなのも猫の特性のひとつです。敵や人目の届かない入り組んだ場所は、遊び疲れた心身を休めたり、或いは少し体調が良くない時の体力の温存に必要といえます。外猫ちゃんで云う庭石の影や倉庫の隅っこなどに当たる空間をお家の中にも所々に仕掛けていきます。

キッチン収納棚の下や階段下や、お部屋のちょっとした隙間スペースをうまく活用するだけで、猫にとっての安心スペースが確保できます。

⑥人間のトイレスペースに猫が落ち着ける猫トイレ空間


ニオイやトイレ砂の散らばりなどが気になり、ペットトイレの置き場に困る方も少なくないはず。今回のお宅の場合は、人の使うトイレの壁面に、低い奥行きのあるスペースを作り、猫トイレを設置できるように考えられていました。猫ちゃんがいつでもトイレに入れるよう、トイレの扉の下方に「ペットドア」も設置されています。猫の排泄物の処理など、動線的のことも考慮されています。

⑦お家の中は自遊空間

トイレだけでなく、家の中のあらゆる扉にペットドアが取り付けられています。リビングから廊下へ、廊下から寝室へ・・ペットドアをすり抜けながら、お家の中を気ままに行き来することができます。お留守番の時も、どこかのお部屋に閉じ込めるのではなく、自遊気ままでストレスフリーに過ごすことができます。

⑧安全性と快適性
天然無垢材をふんだんに使った木造住宅を得意としたミムラホームさん。アレルギーなどが発症しないよう、壁には樹脂や化学物質を含まない天然ミネラル系統の塗壁材を使い、長く住まうために配慮されているのはもちろん、猫にとっての安全性や快適性も忘れません。ステップアップボードの素材や、高所から飛び降りて着地した先のフローリング素材なども、滑りにくいものを使っているとのこと、さすがです!

猫に「爪とぎ」はつきもの。お気に入りの壁や柱の傷みも気になるところですが、昨今では傷つけにくい素材や傷・汚れの目立ちにくいクロス素材など、提案できるアイテムも増えており、サンプルブックを拝見するだけでも夢が膨らみます。

今回の取材に同席くださったスタッフの佐藤由美子さんも大の猫好き。既にマイホームを建てられた後に、ミムラホームに就職されたため、「こんなステキな家を建てられると知っていたら、間違いなくこちらにお願いしていました。」と語ります。そんなご自身の経験から、悔いの残らない家づくりを提案できるよう、お客さまの良き伴走者として大切な一役を担っています。

住まう人の笑顔から地域の幸せへと・・三村社長の想い

数百軒にのぼる自由設計の住まいを作り続けているミムラホームの強みは、何といっても頑丈な基礎。自社製の鉄筋を通常の2倍分使用する堅牢な基礎が、大きな外力にも耐え得る地震に強い住まいもご提案できます。そして、もう一つの強みが丁寧なヒアリング。マイホームという「夢」に本音で向き合い、要望の一つ一つに寄り添う姿勢を大切に取り組んでいます。代表の三村治さんは、地域活動にも積極的に参加し、リーダーシップを発揮しています。高崎白衣観音の足元に10,000個のロウソクと灯篭を飾り、去りゆく夏を見送る8月最後の週末に行なわれる「万灯会(まんどうえ)」の実行委員長として、高崎のシンボルである白衣観音の歴史を重んじ、ご自身の暮らす観音山近郊の活性化に尽力されています。また、自社で発行される月刊「ミムラ通信」では、暮らし情報の他に地域のお店や事業所を紹介しながら連携を図り、顧客満足度をさらに高めています。

自社のお客さまの笑顔を地域へと招き入れ、新しい暮らしに充足感を深め、根付かせていく。地域とのネットワークが物をいう。三村代表だからこそできる”攻めと守り”の両輪は、お客さまだけでなく共生する猫の心さえも鷲づかみにしながら、暮らしの中の幸せと夢を大きく膨らませているような気がしました。

インタビューイー:三村工業㈱代表取締役三村治/執筆:吉村巳之

ミムラホーム 三村工業㈱
住宅事業部(新築・リフォーム・住宅ローン・土地探し・補助金等 各種ご相談)
三村治 代表取締役

〒370-0862
群馬県高崎市片岡町2-14-1
℡ 027-323-5050 
Mail mim@olive.ocn.ne.jp
HP mimko.co.jp/
Instagram @mimurahome

吉村巳之

ヘア & メイクアップ、着付け、ウェディング、撮影/ステージ用ヘアメイク、企業/各種コミュニティ向けイメージアップ講座、ホリスティックビューティー講座、たかさき能/狂言を観る会実行委員会、子宮頸がん予防啓発高崎美スタイルマラソン実行委員会など各分野で活動中

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